仕事の帰り際、久々に、牛丼(牛めし?)チェーンの松屋に行った。
自転車で自宅へ帰宅途中、松屋の前の道の「味噌漬け牛カルビ定食」という「のぼり」を見つけた。
「牛カルビ」を「味噌漬け」で食べたら不味いわけがないよね?
ということで、このメニューを急に食べたくなって今晩の晩ご飯は松屋に決定。
(期間限定メニューか何かなのかな?)
どちらにしろ、時間帯が晩ご飯時という事もあり、狭い店内はお客さんでごったがえしている。
とりあえず、早速「味噌漬け牛カルビ定食」の食券を買って、着席。
食券を店員さんに渡す。
若いバイト定員さん(青年)
厨房に向かって。
「味噌漬け牛カル定、一丁はいりまーす!」
厨房の中の店長(らしき人)
「味噌漬け、ありがとうございまーす!」
実に元気の良い若いバイトさん。
まるで、居酒屋の接客並みの威勢の良さ。
そうこうしているうちに、「味噌漬け牛カルビ定食」が来たので、早速定食を食べていると・・・。
お店のドアが開いたかと思うと、もの凄い喧噪を伴って15人近いお客さんが一度に一気に入って来た。
かなりギャーギャー話ししながら入って来たが、どうやら、中国語が飛び交っている模様。
中国人観光客の団体さんか〜、と思いつつも、別に何も気に留めない。
京都に住んでいたら、そんな光景は日常茶飯事。
マクドナルドでバーガーを食べていたら、右を見るとヨーロピアン、左を見るとアメリカン、後ろを見るとチャイニーズ、みたいな光景は普通だ。
しかも、春と秋の観光シーズンなんて、外国人観光客が普段以上に押し寄せる時期だし。
しかし・・・。
15名ほどの中国人団体様は、どうやら松屋のシステムが分からないようで、ワーワー、ギャーギャーと店内でかなり騒ぎ立てている。
他のお客さんたちもちょっと迷惑そうな顔。
さすがにかなりうるさいので、座ってご飯を食べていた男性客が、「シー!」というジェスチャーをしたりもしているが、喧噪は収まる様子はない。
食べているお客さんたちがゲンナリしかかっていると・・・。
例の威勢の良い松屋の若いアルバイトさん(以下バイトさん)登場!
さっそうと中国人団体様の中へ割って入る。
バイトさん
「不是感到为难什么吗?请不管什么都说!」
「は!?」(私の心の中)
バイトさんが、中国語で中国人観光客を仕切り始めた。
バイトさん、中国語しゃべってる!
しかし、たぶん、あの中国語は「片言」だ。
中国語をマスターしている感じではない、かなり付け焼き刃的な片言な中国語だ。(と、思う。)
たぶん、学校で習っているのか、独学で中国語を勉強しているのだろう。。。。
しかし、カタコトかどうかなんて、バイトさんには関係ない。
バイトさんには勢いがある。
通じているかどうかは知らないが、観光客に向かってバンバン中国語で話しかけ、食券の買い方やメニューなどを説明している。
バイトさん
「请漂亮地向一列顺序排列!」
なんと!
中国人団体様を綺麗に並ばせた。
バイトさんカッコいい!
よく分からない中国語をガンガン打ち込みまくっている。
中国人観光客は、バイトさんの言う通り、食券を買い、一人づつ席についていく。
観光客は、うんうん頷き、とても満足そう。
すばらしい手際の良さと、片言だろうとなんだろうと中国語を使いこなすその胆力に、私は「味噌漬け牛カルビ定食」を食べながら心の中で拍手を送っていた。
いよいよ、全員に食券を買わせ、全員を席に座らせたら、一気にオーダーをとって行く。
バイトさんの清々しい中国語炸裂中。
もはや、店内では軽くヒーローになっているバイトさん。
そして、バイトさんは・・・、
不意に厨房の店長に向かってオーダーを告げた。
「牛烤肉套餐够格的人!!」
店長
「・・・・・・・ は?」(ポカーン)
いや、私も、内心では少しだけ「やるんじゃないか・・・。」と思ってたよ。少しだけね。
でも、さすがにそれは4コマ漫画でしか起こりえないと思っていたんだけど・・・。
バイトさん、ガッツリやってくれたよ。もう、さらに拍手だよ。
勢いあまって店長にまで中国語で話しかけちゃったよ。
ヒーローは、素晴らしいオチまでつけてくれたよ。
やっぱりヒーローだったわ。
今日という日の終わりに、素晴らしい舞台を鑑賞できて、私は感謝です。
※本文に書いている中国語は適当です。