お坊さんとiPad。

先週、祖母一周忌の法要で、実家に帰った。

祖母の生前は、祖母・祖父ともに信仰心厚く、「お寺」の事を「お寺さん」と呼び、尊敬・信頼をもって接して来ていた。
また、檀家としても「お寺さん」に色々と一生懸命尽くして来たらしい。
(私は親から聞いただけだが。)

おかげで、お寺のお坊さんと私の祖父母は、生前よりかなり深くかかわり合って来た。
なので、街中では良くあるような「全然知らない派遣のようなお坊さんがお経を上げにくる」のではなく、祖母の事を良く知るお坊さん(50代後半?)が、すごく丁寧に一周忌の法要の儀を執り行ってくださった。

法要の終盤。

お坊さんは、おごそかに、生前の祖母の事を語りつつ、有り難い説教を聞かせてくれた。

その説教の最中。
お坊さんは、「生前の○○さん(私の祖母)が写っている古い写真をいくつか見つけたので、皆さん、是非ご覧ください。」と。

おもむろに、袈裟袋のようなモノから取り出したのは、「iPad」。

IT業界に身をおく私でも、お坊さんがiPadを持ち歩くとは思いもよらず、
「なるほど、もうこういう時代か〜。」と感慨深い気持ちに。

お坊さんは、祖母が写っている写真をiPadの画面に表示し、
「みなさん、回してご覧になってあげてください。」と。

しかし、法事に来てくださっている方々は、9割以上が、かなりお年を召したおじいちゃん・おばあちゃん。

みなさん、iPadが回って来ても、何をどうしていいか分からない。
そもそも、何の端末なのかすら理解出来ない人もいる。
とりあえず、初めのうちは、画面に表示されている写真だけを見て、次々と「祖母の写真 in iPad」が手渡されて行った。

「あら、この写真のおばあさん、若いな〜。天国で元気しとるかね。」
など、「祖母の写真 in iPad」に話かけているおじいちゃんも。

しかし、そのうち興味本位でiPadをいじる人たちが現れる。

とあるおばあちゃん:「コレ押したら、どうなるんや? あら、消えた。。。」
隣のおじいちゃん:「コレを押したら、戻るんちゃうか?あれ、なんか、違うもんがでてきた。何だぁ〜、これは。」
さらに隣のおじいちゃん:「違うやろ。こっちをこうしたらええんじゃないか? あら、なんだこれは。」

と、法要の後ろの方で、軽く騒動。

後ろの方に居た私は、横目でちらりと、iPadを覗き込む。
そこに表示されていたのは・・・。

「鋲付き革ジャンを来て、Stussy的なニット帽を被り、BARかスナックかで、化粧の濃いママと一緒に、超絶笑顔でピースサインのお坊さん」

私は、あまりにもドキっとして、急いで騒動に割って入って、
「わ、私が元に戻します!」
といって、iPadを取り上げて、iPadを確認すると・・・。

おじいちゃんたちが何も知らずに開いていたのは、

「お坊さんのfacebook・・・プライベートアカウント・・・」

コレはまずい、と思いつつも、、、
「か、軽く、軽くだけ、少しだけ下にスクロール・・・」

出て来たのは、「かなりぶっ飛んだお坊さんのプライベート写真集」

「ま、まずい・・。」

急いで、facebookアプリを消して、iPadの写真ロールの中から祖母の写真を見つけ出し、全画面表示にして。

「祖母の写真ありました・・・。もう、他のボタンを押したりしないようにしてくださいね。写真はコレだけなので。どうぞ。」

といって、iPadを回してもらい。
一件落着。

まさか、法事でこんな冷や汗をかくとは思いもよらず。

お坊さんへ。
iPad買って嬉しいのは分かるけど、やっぱりプライベートと公務用は分けた方がいいと思うよ。

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