日本初?世界初?のコワーキングに関する雑誌。
「Coworking Magazine」が発刊された。
私にとっては目新しさはなかった。
しかし、私にとって、たくさんの大切な事を思い出させてくれる実に良い書籍だった。
あえて表現すると「やさしい気持ち」になれた。
この気持ちのまま、感想文を書いていくと今流行りの(揶揄されている)ポエティックな文章になりそうな予感がする。
(すみません。)
私が、コワーキングを叫んでいた頃。
コワーキングを一生懸命説明して回ったけど、なかなか理解してもらえなかった。
コワーキング体験キャンペーン「2週間まるまる完全無料!」というイベントをやってもぶっちゃけ誰もこなかった。
全くの「ゼロ」。
永遠のゼロ。
そんな状況は今や昔。
今では、経済産業省助成事業リストに「コワーキング」という項目が載っている。
世界では、4000箇所を超えるコワーキングスペースができている、では、日本では一体何箇所スペースがあるのだろうか?
正直、数が多すぎて、もうよくわかっていない。(すみません。)
(「コワーキングスペース一覧」とかで検索すれば、色々なサイトがでてくるのでそちらをご参考に。)
小脇をスタートさせた時(4年以上前)、コワーキングに大きな夢と希望を抱いていた。
(過去記事参照:とあるコワーキングスペースをはじめた男の話)
そうこうしているうちに、日本全国各地にコワーキングスペースがどんどん増えていく。
個人的にはとてもうれしく、全国に「居場所ができる」ような気持ちだったのを今も覚えている。
しかし、いつの間にかコワーキングという言葉の解釈も場所もどんどん多様化をしていき、コミュニケーションのないレンタルオフィスのような「コワーキングスペース」、マンガ喫茶やインターネットカフェのような感覚の「コワーキングスペース」、自スペースへのクローズドな顧客囲い込みにしか興味がない「コワーキングスペース」などなど、色々な「コワーキング」が出現し、そしてあるものは定着し、あるものは撤退する。
個人的には「コワーキング」というからには「コミュニケーション」「協働」「共創」などが「存在する場所」がコワーキングスペースだと思っていただけに、これだけ多様なコワーキングスペースが登場することで「世間のコワーキングスペースに対する評価」が「歪んじゃわないかな・・・」と少し心配していたのは事実だったりする。
(そんな事を言えるような身分ではないけど。)
それでも、コワーキングの良さは、Jelly!という言葉に代表されるように「多様性を許容する」ところにあるわけで。
なので、基本的には、
「色々とあるのもいいよね。」ということで、あまり気に止めていなかった。
(本業のソフトウェア開発やスタートアップの支援も忙しいし、笑)
しかし、実のところ・・・。
いつの間にかコワーキングに対する熱意は失いつつあった。
コワーキングという言葉も多様化したし、何がコワーキングなのかもうよくわからないし、自分が思ってるコワーキングとは違っていたとしても、もはやそれがスタンダードとして認知されているのだったら、それが「時代の流れ」ってものだろうし。
そんなところに対して抵抗しても仕方がないし、ニーズがある方向にコワーキングが進んでいくのは、正しいのだろうと。
今後も、私にはコワーキングがどの方向に進んでいくのか、よく分からない。
ただ、私が楽しいと思えるコワーキングは「コレ」っていう私の基準はあるし、それはそれで大切にしていきたいな、と思っているだけ。
それ以上はない。
熱意は随分と失われてしまったけどね。
と、いうのが、この本を読む前。
この雑誌を読んで、「あ、やっぱりコワーキングってこれだよね?」って久々に思い返すことができた気がする。
雑誌の記事だけでなく、その作り、そこに出てくる人々、そこで語られている哲学。
すべてに「ホッとした」というのが正直な感想。
そこには、コワーキングらしさが充満してた。
たくさんの人たちのインタビューが載っていた。
「この人たちと、働きたい」「この人たちといたら楽しいだろうな。」という全国のコワーカーたちと初めて出会った頃のようなワクワク感と居場所が、語られていた。
コワーキングを知らない方には、この雑誌でコワーキングがどういうものか理解してもらえると思う。
「あー、やっぱりコワーキングいいじゃん!」
「「このコワーキング」をやっぱりみんなに知ってもらいたいな。」
「またJelly!したいな。」
という気持ちが蘇ってきた。
またオープンマインドを持って、色々なコワーキングスペースに行って、色々な人との出会い・つながりを楽しみたい気持ちがふつふつと甦り中。
インタビューに答えていた全国のみなさん、元気をありがとうございました(^^)
(実は、この書籍には、恥ずかしながら私のインタビューも載っている。)